
遺産分割の例をお話ししたいと思います。
被相続人(父)
相続人:長男(無職)、次男(農業)、三男(会社員)
相続財産:
アパートA築10年(相続税評価額1億円、借入金残7000万円、賃貸収入 月70万円)
アパートB築25年(相続税評価額5000万円、借入金残0円、賃貸収入 月30万円)
駐車場(相続税評価額5000万円、借入金残0円、駐車場収入 月15万円)
農地(相続税評価額100万円、借入金残0円、農業収入 100万円)
自宅(相続税評価額2500万円)
預金(50万円)
自宅は小規模宅地の特例で、80%減額した金額。
兄弟3人は被相続人と一緒に暮らしていた。
この財産をどう分けるのでしょう。
まず、農地は農業をやっている次男が相続する。
アパートAは月70万円の収入がありますが、借入金の返済や固定資産税を考えると、手元に残る分はほとんどないと推測されます。よって会社員の三男であれば、生活費の確保もできるかも知れません。
アパートBは月30万円の収入ですが、築年数が古くなってきているので、修繕や建て替え、売却も視野に入ります。修繕や建て替えを考えると、収入の大部分を貯蓄にまわさないと、実行出来ないものと考えられます。すると、他からの収入がある次男、三男が妥当とも言えます。
駐車場は細かい修繕はあるかもしれませんが、固定資産税が大きな支出になると思われ、残った収入を長男が取得する。
このようにすると、とりあえず3人の収入はかろうじて確保出来ると思います。
自宅は3人の共有でも、誰か一人が相続しても良いと思います。
この場合の相続税はいくらでしょう。
財産-債務で15650万円の課税価格。
基礎控除額3000万+600万✖️3人で4800万
これを引いて、相続税率をかける(40%)
そして、税率に応じた控除額を引く(1700万)
すると、2640万円の相続税を3人で納付する事になります。
こうなると、3人の貯蓄によりますが、どこかの土地や建物を売却する可能性が高くなりそうですね。
遺産分割はあくまで相続人で話あって決めるものです。
上記とは別のわけ方も当然考えられます。
因みに、アパートAの借入金が0円だったら、相続税は2800万円増加します。が、7000万円の返済が無いので、トータルで考えた支出は抑えられます。
ただ、2640万円+2800万円の相続税を10ヶ月以内に納付することになります。
さてさて、betterと言える選択は…
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