
私が以前お世話になっていた職場での話です。
ある日、社内研修で某所に集まっていました。
その研修に参加していたのは100人近くいたが、その中に親しくしている人はいませんでした。
突然、私を呼ぶ人の声が…
振り返ると一年後輩のA君。
顔と名前は知っていたが、今まで話した記憶がない。
A君「今日の研修、誰も知っている人がいないんでびっくりですよ」
A君「今日一緒にいても良いですか?」
私「いいよ。確かに知っている人がいないんだよ」
研修中も隣に座り、昼ご飯も一緒に食べるなど一日一緒にいた。
研修も終わりに近づいた夕方になり突然
A君「実はゲイなんです。まだ誰にも言ったことがなく、初めて言いました。」
私「あ〜そうなんだ。」
特に驚かなかった。
彼のことをあまり知らなかったが、いわゆるノーマルだと思っていた。
違ったわけだが、普通に受け止めたように思う。
私「初カミングアウトがなんで俺だったの?」
A君「親しい人には言えない、でも誰かに言いたい。」
「予行練習みたいなものです。」
彼の中では重大発表だったはず…
私はオカマの先輩と過去に出会った事があるからかも知れないが、特別感も感じなかった。
その後のA君は親しい人へのカミングアウトを済ませたようだ。
噂話のように私の耳に入ってきた。
数年後、久しぶりにA君に会った時、お礼を言われた。
彼が数人の友人と談笑している姿を見た私はホッとしていた。
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